玄関の鍵が回らない! どうしよう?
妻と買い物に出かけようとした時の話です。
駐車場から車を出すために、私は先にマンションの部屋を出て、
習慣で玄関ドアの鍵を外から掛けました。
しばらくすると携帯電話に妻から着信。ドアが開かないというのです。
室内のサムターン(室内側の解錠の為のつまみ)が回らないので解錠できないとのこと。
つまり妻は外に出られないのです。
私は部屋前に戻って、外からキーで解錠しようとしました。
でもやはりどこかが引っ掛かっているようでシリンダーが回りません。
しばらく妻と二人で、外と内からカチャカチャやってみましたがさっぱり動く気配がなく、
鍵屋さんに修理を依頼しました。
30分ほどでやって来た鍵屋さんは私の状況説明を聞いてから、
私のキーを鍵穴に差し込んでホンの数秒、何やらしていましたが、
直ぐにカチャっと鍵が回りました。余りの呆気なさに唖然とする妻と私。
何をどうしたのかという私の問いには、鍵屋さんは答えてくれませんでした。
公開してはいけない解錠技術だったのでしょうか。
念の為の錠前のクリーニングをやりながら、鍵屋さんは以後のメンテナンスを教えてくれました。
少し前からキーを差し込んで回す時に引っ掛かる様な感触があったので、
私は錠前用のパウダースプレーを何度か使っていました。
キーを差し込むシリンダー部分はミリ単位の小さな金属部品の集合体です。
この金属部品同士の滑りが悪くなるとキー(正確にはシリンダー)が回らなくなります。
そこで滑りを良くする手間に潤滑剤を鍵穴から注入するのですが、
この潤滑剤はCRCなどような油モノはダメなのです。
油では埃などが付着し易くなって、時間が経つとかえって部品の動きを阻害するからです。
鍵穴用の潤滑剤は非常に細かい粒子のパウダーです。
粘着性がないので埃などが付着しないのです。
それを聞いた鍵屋さんは、鍵穴用潤滑剤も使い過ぎると駄目だと言いました。
いくら微粒子でも積もり積もれば埃と同じで、
シリンダー内の極小機構に悪影響があるとのことです。
鍵穴周辺に付着している潤滑剤を見た鍵屋さんに、使う量が多過ぎると注意されました。
そして今回の故障の原因はシリンダーではなく、
もっと中の錠前本体の可能性が高いと説明してくれました。
錠前本体とはシリンダーから連動して、デッドボルト(カンヌキ)などを作動させる機構です。
ハンドルもこの機構の一部です。
ここの機構はシリンダーの様に精密ではないので、油の潤滑剤の使用がOKなのです。
マンション購入後20年で、そんなメンテナンスは一度もしたことがありませんでした。
つまりこの機構部品の何かの滑りが悪くなって解錠しなくなったのだろうということでした。
錠前の知識がない人は錠前を分解して、ドアから抜き出すことはできないので、
デッドボルトやラッチボルトのいわゆるカンヌキの所から、CRCを吹き付けるだけでも良いのだそうです。
これ以後なんの不都合も発生していません。
中途半端な素人知識は危なっかしいものです。
良い勉強になりました。
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