磁気タイプ鍵の落とし穴
私の暮らすマンションでは磁気タイプの差し込み型鍵が採用されていました。 ドアにあらかじめ取り付けられている差し込み口に鍵を入れ、押しながら回すことで開錠できます。カードのような薄さの鍵なので、鞄の中で行方不明になってしまうことはしばしばありましたが、キーホルダーをつけてからはその煩わしさからも解放されていました。むしろ、上京したばかりで都会の安全性に不安感を抱いていた私にとって、ピッキングされたり、複製されることのないこの鍵を信用していました。 鍵を使用し始めてから1年半ほどがたったある日、飲み会帰りだった私はいつものように帰宅し、鍵を開けようと差し込み口に鍵を入れました。通常ならば、押し回すと「カシャン」という音とともに開錠するにも関わらず、鍵を押し回しても開錠されることはなく、鍵は回り続けるだけでした。 慌ててマンションの管理会社に電話したものの、担当者には「管理人にお伝えください」とだけ言われ、切られてしまう始末。時間は深夜12時近かったため、管理人さんは既に自宅へと帰ってしまっており、翌朝まで来ませんでした。泣く泣く近所のファミリーレストランで夜を明かし、翌朝、管理人さんにスペアキーで開錠してもらいました。 その後、鍵が開錠しなかった原因が明らかとなりました。原因はずぱり「磁気不良」にありました。磁気タイプ鍵は鍵自体に磁気を帯びています。日常生活で使用しているだけでは、磁気不良で開錠しなくなるということはあまりありません。しかし、私が頻繁に使用していた鞄の口にはマグネットがついており、それこそが鍵の磁気不良を引き起こしたのです。 いつまでもスペアキーを利用する訳にもいかず、前述の通り、鍵の複製は困難であるため、差し込み口から一新することとなり2万円の急な出費が発生してしまいました。 この体験から、安全性が高く、スタイリッシュな磁気タイプ鍵にも落とし穴があるということを痛感しました。マグネットがついている鞄を利用している人の中には、同様のトラブルを経験している人も少なくないようです。磁気タイプ鍵を利用されている方は、キーケースに入れたり、財布の中に鍵を収納するなど、磁気を遮断する対策を取ることをおすすめします。
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